受理面接からアフターケアまでの仕事の流れと心理カウンセリング時の注意点

1回の心理カウンセリングで解決できることは稀で数年に渡ることも

 クライエントと心理カウンセラーとが互いにやり取りしながらカウンセリングは進められていきますので、心理カウンセラーの価値観や考えを一方的に押し付けるような形で行うものではありません。

悩みを抱えて相談に訪れるクライエントの心理状態や問題の深さは、人により様々なので、カウンセリングの進め方や用いる心理療法は、クライエントの状況に合わせて考える必要があります。

心理カウンセラーは、的確にクライエントの状況を把握し、ケースバイケースで、その都度適切な対応方法を考えることが要求されます。

実際のカウンセリングでは、一度だけ対応すれば、心の問題が解決できるなどと言うケースはまず無く、一般的には何回かのカウンセリングを行う必要があり、問題が深刻な場合は数年間に渡って対応することが必要な場合があります。

 また、カウンセリングが終了しても、再度クライエントが相談に訪れるケースも多々あるので、根本的に問題を解決できるよう配慮したカウンセリングを行うことも重要になります。

今抱えている問題だけを場当たり的に解決できても、クライエントの心の持ち方や考え方を根本的に健全な心理状態に戻せなければ、同じような環境に追い込まれた場合、また違う現象となって問題を抱え込むことになります。

なので、カウンセリングやフォローを行う場合は、目先の問題解消だけでなくクライエントの自立ということも含めて、しっかりと吟味する必要があります。

心理カウンセリングの実際の業務の流れ

1. カウンセリングの受付

 クライエントからカウンセリング依頼があれば受け付けるかどうかを判断します。

依頼内容によっては専門外のケースもあり、受けれるかどうかの判断が必要で、的確に見極めることは心理カウンセラーにとって重要で仕事に対する信用や収入にも大きく影響します。

リファーとは

自分の専門外の依頼内容であった場合に、別の専門家と連携したり、手に負えない場合は紹介することをいいます。

2. インテーク面接(受理面接)

 クライエントの問題点を把握し、その状況に合わせてカウンセリングの方向性を検討して内容説明を行い、カウンセリング方針や進め方を決定します。

3. カウンセリング

カウンセリングセッションを開始し継続します。

心理テストとは

クライエントの心理的特性など、面接だけでは掴みきれなかったことを詳細に把握したい場合に行われるテストのことです。

セッションとは

カウンセリングは通常、数回に渡りが実施されるのが一般的で、この1回のカウンセリングをセッションともいい、1回当たり1時間前後の時間を設けて行われています。

外的対応とは

クライエントに対して危機介入を行う必要性があると判断される状況が発生した場合、カウンセリングセッション時間外でカウンセラーが緊急対応する行為を外的対応いいます。

但し、外的対応を際限なくやってしまえば心理カウンセラー自身に大きな負担がかかるので、対応基準や範囲を明確にしておくことが必要になります。

クライエントのことが心配だからと言って安易に外的対応することは、クライエントの自立を妨げることにもつながるため慎重さが必要です。

3. カウンセリング終了後のアフターケア

 カウンセリングが終了すれば、責任を持ってアフターケアも行う必要があります。

クライエントのカウンセリング再訪問について

再びクライエントがカウンセリングに訪ずれるケースには、次の2つのパターンがあります。

  • 前回とよく似た問題を抱え相談に訪れる場合
  • クライエントが問題を乗り越え成長したことにより、新たな生活ステージでの課題や問題が発生した場合

心理カウンセリングを行う際に注意すべき問題

転移と逆転移について

 カウンセリングを行う場合、転移や逆転移などの問題が発生することもあるので、心理カウンセラーは慎重に対処することが求められます。

転移とは、カウンセリングを受けているクライエントが、自分が過去に経験した人間関係において感じた様々な感情が心理カウンセラーとのやり取りの中で沸き起こってくる現象を言います。

この感情には、憎しみなど心が痛むような苦しい感情や、その逆の愛情などの感情も含まれます。

また、カウンセラー自身にクライエントが抱いた感情が引き起こされてしまう現象を逆転移といいます。

転移と逆転移は、本人が気付かない無意識の状態で起こるため防ぎようがありません。

転移により、今までの考え方や感じ方が変化するため、クライエントの人間関係や人との接し方にも影響してきます。

逆転移の場合は、心理カウンセラーにも同じような心の変化や対人関係に影響を及ぼすことになり、このような状況を改善するためカウンセリングをカウンセラー自身が受けたり、スーパーバイザーを付けたりするケースもあります。

転移のメカニズム

  1. カウンセリング中は、クライエントが気づかない内に無意識に内包しているものが表に出やすい傾向があります。
  2. クライエントが過去に対人関係で経験した時に感じた憎しみなどの感情が心理カウンセラーを通してカウンセリングを受けている最中に呼び起こされてしまうことがあります。
  3. クライエントは心理カウンセラーに対してひずんだ印象やイメージを抱きます。
  4. その結果、クライエントは不適切な感情に支配され、場違いな敵意や愛着を心理カウンセラーに抱きます。
  5. このような転移の問題が起こった場合、状況を踏まえて適切に対処することが心理カウンセラーには必要となります。

無意識とカウンセリングの関係

 無意識にアプローチするカウンセリングでない場合でも、カウンセリングを受けることにより、クライエントは無意識の影響を受ける傾向が強くなり、心が不安定になりがちです。

また、無意識というと意識的行動や考えをかき乱すマイナスの印象が強いですが、良いことも悪いことも含めて、過去の経験がいっぱい詰まった領域であり、精神のバランスを保つ為には欠かせない働きを担っているのも事実です。

クライエントの無意識の抵抗

 カウンセリングを受けることをクライエント全員が真に望んでいるわけではありません。

クライエント自身は自分では気づきませんが、顕在意識(表層意識)ではカウンセリングを受けたいと思っていても、潜在意識(無意識)ではカウンセリングを拒否したいという思いを抱いている場合があります。

 なので、心理カウンセラーは、表面上の言葉だけでなくクライエントが無意識的に抵抗している裏にある感情や思いを察し共感・理解することで、より効果的なカウンセリングを行うことができます。

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