心理カウンセリング内容の事前説明と基本的な実施の流れについて

クライエントヘの説明と契約時のポイントについて

 カウンセリングを受け付けて正式に始めるには、契約に基いた関係をクライエントと確立させることが前提になります。

カウンセリング内容の説明

 心理カウンセラーとしてカウンセリングを受け付ける前には、次のような内容について確認したり、クライエントに洩れなく十分な説明を行うなど、納得してもらい同意を得ておく必要があります。

クライエントへの基本的な確認事項・ポイント
  • クライエントが何を望んでいるのか
  • 自分がクライエントに支援できることは何か
  • カウンセリングの方向性
  • 心理カウンセラーの責任範囲
  • 守秘義務について
  • クライエントの自己責任範囲
  • 保護者の同意を得る
    (クライエントが未成年の場合)
  • カウンセリング費用と支払い方法
  • 予定外の事態が発生した場合の対応方法
    (カウンセリングのキャンセル発生時など)
クライエントへの例外的な確認事項・ポイント
  • 共通の知人などがいる場合、その知人に対する守秘義務の取り扱い
  • 第三者からの依頼によってカウンセリングを実施している場合の守秘義務の取り扱い
  • クライエントの保護責任者への確認可否

このような内容について明確にした「カウンセリングのサービス提供契約」を締結することで、相談者から正式な依頼人になり、クライエントとして対応しカウンセリングを引き受けることになります。

クライエントの心理状態・生活環境・家族関係・対人関係などについて、おおよその全体像を掴んでおくために受理面接をカウンセリングに入る前に実施し、その結果を参考にして今後のカウンセリング方針を決定するための検討材料にします。

インフォームド・コンセントの重要性

 インフォームド・コンセントとは、カウンセリング内容について、十分な情報をクライエントに与え同意を得ることです。

最近では医療だけに限らず、人を対象にしたサービスを提供しているあらゆる分野・職業において重要視されていて、介護職や心理カウンセラーにとってもインフォームド・コンセントは重要です。

また、企業から依頼を受けて心理カウンセリングを実施する場合は、個人と違い企業が契約対象となるため、従業員と企業の双方が利益を得られるように配慮し調整する必要があります。

心理カウンセリングの報酬設定

 心理カウンセラーの報酬は成功報酬ではなく、カウンセリングというサービスを提供したことに対しての対価という考え方で設定するのが普通です。

カウンセラーの報酬設定は、次のようにすることが適切な設定方法です。

  • カウンセリングについては時間単位で費用設定する
  • 心理検査については各検査ごとに費用設定する

一般的なカウンセリングの費用相場は時間単位1万円くらいで、カウンセリングを一回行う毎に支払ってもらうのが基本です。

また、非営利の組織や団体が行っているカウンセリングの場合は、料金設定がもう少し安めに設定されていることが多いようです。

カウンセリングの基本的な業務の流れとポイントについて

 カウンセリングの目的や対象はクライエントの事情によって異なっていますが、基本的な流れはほどんど同じで、信頼関係を構築することから始めていき、最終的にはクライエントが自立できるように支援していきます。

ステップ1:信頼関係を確立させる

 カウンセリングを上手く進めて行けるようにまずはラポールを築ける雰囲気作りに注力し、ククライエントを受容し心を開いて安心して感情表現できるように環境を整えていきます。

ラポールとは、円滑にカウンセリングを進めていけるようにするための前提条件となる信頼関係のことをいいます。

受容とは、先入観を捨てクライエントの性格や姿勢全てを無条件で受け入れる態度や心構えのことをいいます。

まずカウンセラーが自分から進んでクライエントを受け入れることで、クライエントも自分自身を否定せずありのままの姿を受け入れることができるようになり、その後、他人も自分と同じように受け入れることができる心の余裕を持てるようになります。

相手を受け入れることを他者受容自分を受け入れることを自己受容といいます。

ステップ2:問題を明らかにする

 クライエントが心を開き自己開示することによって、じっくりと自分自身を見つめ直す切っ掛けにもなり、自分への理解も深まっていきます。

この段階に入るとカタルシス体験をする場合もあります。

心理カウンセラーは、クライエントの話を共感して傾聴しながら開かれた質問を行い、さらにクライエントが自己開示できるように誘導していきます。

カタルシスとは、クライエントが心の奥底に抑圧されてきた感情を発散させることをいいます。

元々はカタルシス=浄化というギリシャ語での意味があり、観客が観劇することで心の解放を感じるということ表しています。

傾聴とは、積極的に相手の話を聞き入れる姿勢で会話を行い、相手が自分の心をよりオープンにできるよう促すコミュニケーション方法のことをいいます。

共感は、同情とは違いクライエントが抱いている考え・思い・感情・気持ちなどを、ストレートに理解することです。

開かれた質問とは、クライエントが「イエス、ノー」など二者択一で答えられるような質問ではなく、自由に自分の考えや意見を言い答えることができるような質問形式のことです。

このような質問方法をカウンセリングで用いるのは、クライエントの本音を引き出すためには有効性の高い方法です。

ステップ3:問題に対する解決方法を明確にする

 何が問題であるかをクライエント本人の気づきにより明確にしていきます。

クライエントはこの段階に入ると心に大きな感情の動きを感じ現実を冷静に客観的に見つめることができるようになるため、問題解決に向かって行動を起こす意欲や自信を持つことができるようになります。

ステップ4:問題解決に向けて実行する

 日常生活の中でクライエントは問題解決に向けた具体的な目標を設定し、具体的に行動するようになります。

心理カウンセラーは、目標実現に向かって実行できるよう援助や助言を行って、カウンセリングと実社会生活を行き来し、行動した達成結果を確認しながら徐々にクライエントが自立を図っていけるよう促していきます。

また、心理カウンセラーは、クライエントの状況に応じて個別問題に焦点を絞り、心理検査・心理療法・心理トレーニングなどを行ったり、日常生活上で意図的に課題を与える場合もあります。

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