心理カウンセリングの基本理論とアプローチの特徴・心構えについて

クライエントと1対1の面談が心理カウンセリングの基本原則

 心理カウンセラーがカウンセリングを行う際は、クライエントと対面で向き合い1対1で行うことが基本ですが、実際には電話やEメールでのカウンセリング、グループでのカウンセリングなど形態も幾種類かの面談方法があります。

 カウンセリングの参加者は個人だけでなく家族やカップルやグループでカウンセリングを受けたり、直接クライエントに合わず電話やEメールでコミュニケーションをとってカウンセリングをすることもあります。

クライエントの中には電話やEメールのほうが緊張せず話しが自由にできて便利だという人もいます。

 また、電話やEメールでのカウンセリングは、緊急時の危機介入時に対応することもできます。

危機介入とは、クライエントが犯罪の被害を被ったり自殺する恐れがある場合や、家族や恋人など愛する人が死亡した場合、会社から突然解雇された場合など、精神的に大きなショックを受けカウンセラーが迅速に介入し援助することが必要な事象が発生したことをいいます。

これらの緊急事態に対応すべく制度化されたもので「命の電話相談」は有名です。

カウンセラーの対応方法としては、クライエント宅が近い場合は直接出向くか、遠方にある場合は電話をかけて迅速に対応する必要があります。

 いろいろな人との対人関係の中で様々な心の問題は生じてきますが、グループカウンセリングはこのような実情を踏まえて行われることがあります。

同様の心の問題や悩みを抱えた人が集団になってカウンセリングを受けるのがグループカウンセリングの特徴ですが、集団になることによって相乗作用が発揮され、個人よりも集団の方が大きなカウンセリング効果を発揮する場合もあります。

グループカウンセリングの一つにエンカウンター・グループという方法がありますが、合宿などに十数人くらいが集団で参加し、お互い本音と本音を自由にぶつけ合い、ありのままの感情と意見を持って交流し、新しい自分の一面を発見しようとする方法です。

カウンセラー教育を行う際にも活用されカウンセラーが主導していくのではなく、あくまで参加しているグループメンバーが主体的に自主性を持って進めて行きます。

心理カウンセリングの種類・方法・特徴

カウンセリングの種類 カウンセリングの特徴(メリットデメリット
コミュニケーション 対面

相手の表情・声調・態度などの全ての表現を見て判断しカウンセリングを行える。

緊張しやすいクライエントは、対面状態では自己開示することが難しい場合がある。

自己開示とは、自分の考え方や気持ち、人生経験や生い立ちなどクライエントが包み隠さずありのままを話すことをいう。

電話

危機介入などの緊急事態が起こった場合でも即時に対応が可能である。

カウンセリングで重要な自己開示をクライエントが行いやすい環境を作れる。

Eメール

時間や距離に捉われる必要がない。

クライエントが自己開示しやすい。

文章だけの伝達になり情報提供に終始しがちで、深いカウンセリングができない。

参加者 個 人

カウンセリングを集中的に行える。

人間関係や組織関係まで問題発生の背後にある事象までは対応しにくい。

共通の悩みを抱えるグループ

共通の悩みを持つ者同士が集団交流することで、相乗作用が発揮されやすくなり効果を期待できる。

カウンセラーとしてクライエントにどう関与するかが難しい。

カップルや家族

要点を上手く押さえた対応ができれば、良好な関係を構築することも可能になる。

問題を起こす引き金になった犯人探しのような状況に陥らないよう十分な配慮と注意が必要になる。

家族カウンセリングでは、システム・アプローチという手法を用い、家庭内や家族間の問題に関する相互関係を全体的に客観的な観点に立って考えていくことが大切になります。

カウンセリングの目指す本質はプロセス自体にある

 心理カウンセリンでは、クライアントと言葉による会話を心理カウンセラーが行いながら、問題の解決の糸口を見つけていく作業が行われます。

カウンセリングを一緒になって進めていく過程で、問題が完全に解消できなかったとしても、クライアントが真剣に自分と向き合い解決できる切っ掛けを掴んで成長できる可能性を見い出し、少しでも悩みや不安が楽になれば、カウンセリングを行った意味は十分あります。

実際にカウンセリングを受けたからと言って、日常生活の様々な問題を100%解決できることは、まずありえません。

なんとなく気持ちが楽になったとか、何が本当に正解なのかよくわからないケースも少なくありません。

しかし、クライアントが自分で真剣に考え自分で方向性を決めれば、それが正しい答えであると言えます。

結局、どんな問題でも対処の仕方は様々で、クライエントの決心しだいで、どのようにでもなるというのが現実です。

心理カウンセラー自身の経験や価値観で判断し、クライエントを誘導するのは心理カウンセラーのすることではありません。

ここを勘違いすると、一見解決したように見えてもクライエントが自分で結論を導き出し決心していないため、同じ状況に遭遇するとまた同じ問題を抱え悩むことになります。

なので、心理カウンセラーは心に問題や悩みを抱えたクライアントと同じ立ち位置で共に考え、クライアントがカウンセリングを受けるプロセスの中で、自分で納得する結論を導き出せるようにすることが、心理カウンセリングを行う最重要目標であるといえます。

カウンセリング・マインドを持って行うことが重要

 カウンセリングとは何かという問いに関しての定義は、次のように様々です。

  • 心理治療と同じ行為である。
  • 対話または言葉を手段とした心理療法の一種である。
  • 情報提供や助言を行うことを通じて問題や悩みを解決する援助行為である。

 定義や理論はいろいろあるようですが、カウンセリング・マインド、要するにクライアントの話をしっかりと傾聴するいう心構えを持ってカウンセリングに臨むという事が共通の考え方になります。

心理療法やカウンセラーによりそれぞれ特徴があり、問題解消するためのアプローチの仕方や方法論は、各自異なってきますが、カウンセリングの基本的な姿勢や心構えについてはい大きく異なるわけではありません。

カウンセリング援助を行う際の3つの前提条件

 クライエントが抱える問題やクライエントそのものを理解し、カウンセリングを行う時に注意すべき前提条件となるものには、次の3つの原則があります。

  1. クライエントが言葉で表現していることを単に聞くのではなく、本当に言いたいこと伝えたいことは何かを読み取り理解することが重要です。
  2. 話す内容とその過程という2つの要素を総合してコミュニケーションを行うことで、理解が進展していくことを知っておくべきです。
  3. クライエントを本当に理解するには、クライエント自身のことだけでなく、家庭や職場や日常生活における環境や状況、人間関係など周辺で起こっている状況まで幅広く理解して考えなければ、ある側面だけ理解しても問題解決にはなんの役にも立ちません。

カウンセリングの2つの基本的理論

 カウンセリングには基本的な2つの理論を知っておくことが必要です。

  1. パーソナリティ理論:人格形成理論や病理論は、悩みや問題や症状をクライアン卜がどのような状況や原因によって抱えるようになるのかクライアントを理解する上で必要になります。
  2. アプローチ理論:クライエントの人柄・持ち味・個性などをより良く成長させる手助けをしたり、心の問題や悩みを解決したりするには、具体的な方法論がカウンセリングには必要になります。

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