心理カウンセラーの志望動機から見たメリットと注意点、人間性や資質について

心理カウンセラーとしての自分の性格・短所・長所を知っておく

 心理カウンセリングは、クライエントに意識が向けられがちですが、その前にカウンセラー自身が自分の人間性や性格などの傾向やクセを認識しておくことが重要です。

プロの心理カウンセラーを目指し向上心を持って頑張ることは大切ですが、他人や上を目指すことばかり意識するのではなく、自分自身ともしっかり向き合い、カウンセリングの際に注意すべきことがあるという事実を認識しておく必要があります。

心理カウンセラー自身が自己分析し、性格のクセや長所や短所など、自分自身をどれだけ把握し、どの程度理解しているかということは大変重要です。

 何故なら、カウンセリングは、カウンセラー自身の性格、人間性、価値観などが大きく投影される職業なので、カウンセリングの良し悪しに影響してくるからです。

心理カウンセラーだからと言って、聖人君子のような完璧性を求める必要はないですが、性格の強みや弱み、人間性の良し悪し、コミュニケーションの癖、優越感や劣等感、心の傷など、心理テストで自分自身を分析し事前に把握しておき、これらの要素が心理カウンセリングに影響しないよう十分注意を払う必要があります。

要するに、自分にコンプレックスや劣等感を持つのではなく、そのことも含めて、自分はこういう人間であるということを知っておくことが心理カウンセラーには重要だという事ですが、逆に自分は完璧でなんでもできるという思い上がった考えを持っている場合は早く姿勢を改めるべきです。

 ちなみに、コンプレックスとは、劣等感の意味で使用されることが多いですが、心理学では、自我を脅かす原因となる無意識下に抑圧された感情や不適切な言動などのことを指します。

言い換えれば心の影、心の闇とも言えますが、これは人の個性が形造られる一つの要因でもあります。

心理カウンセラーには挫折経験や心の弱さも必要

 挫折し悩んだ経験がないと相手の気持ちは理解できないので、心の弱さを持つことも必要で決して無駄にはなりません。

完璧を求めるあまり、現実とのギャップに苦しみむクライエントも少なくありません。

心に問題を抱えるの多くの原因は、この世に完璧な人間なんているわけではないのに、自分の心の弱さも含めて、ありのままの自分を容認できず拒絶することが発端になっています。

当然ですが、心理カウンセラー自身にも完璧な人間なんているはずもなく、もし失敗したり悩んだり挫折したりした経験がなければ、悩みを抱えて苦しんでいる人の気持ちが分かるはずもなく、共感などできないと思います。

 また、実務経験の長い心理カウンセラーであっても、一度立ち止まって自分を見つめ直し、客観的に評価してもらうためにスーパーバイザーに指導してもらうことも重要です。

スーパーバイザーとはカウンセラーを指導する人をいい、他のカウンセラーにお願いすることもできますが、特定のスーパーバイザーの思想や価値観に傾倒しないよう注意が必要です。

心理カウンセラーを志す動機から見たメリット・注意点

 心理カウンセラーを目指すことになった動機タイプから見たメリットや留意点について見ていきたいと思いますが、心理のプロとしては、注意することが常にあるという認識を持っておくことが重要です。

動機 利点 注意点
悩み挫折した経験があった 共感を持ってクライエントの悩みや問題に関わりやすい

カウンセラー自身の心の問題が解消されていない場合は、心の傷を互いに慰め合う関係に陥りやすく、カウンセリングが成立しない可能性があり、逆転移を誘発しやすくなります。

人助けが好き カウンセラーのあるべき姿・資質ともいえる

表面上、動機には問題がないように思えますが、無意識に次のような不純な願望を抱いている可能性もあり得ます。

「自分の思い通りに他人を操りたい」
「自分の存在感やボランティア精神・能力を誇示したい」

これらは、単に自分が優越感に浸りたいという自己中心的で自分本位な願望で、本来の人助けとはかけ離れた考えです。

本来のカウンセリングは、クライエントの生き方や考えを尊重し、利他的な姿勢で行うものです。

特に人助けが好きという方は、このような隠れた願望に全く気付いていない場合もあるので、客観的にカウンセラーを志す動機を再度見つめ直すことも必要になります。

他人の役に立ち必要とされることをしたい 相手の立場や視点を重視したカウンセリングを行いやすい

感謝の言葉をクライエントからかけてもらえるのは、心理カウンセラーとしての大きな励みになるのは確かです。

しかし、感謝されたいがためにクライエントが楽で喜ぶ事ばかりに意識が向き、ご機嫌取りに終始していては、クライエントに言うべきことも言えず心の自立や成長を促すことはできません。

心理カウンセラーの援助がなくても、クライエント自身が自立できるようにするためにカウンセリングを行っていることを、よく肝に命じる必要があります。

心理カウンセラーに求められる人間性を養う

 心理カウンセラーとして仕事をする場合は、一定の人間性が必要で、研修や講座で学習したカウンセリング技術だけでは習得できない面もあることは理解しておくべきです。

また、人間性は明日になれば一瞬で変革するような簡単なものではありません。

自分の価値観、人間観、物事のとらえ方、性格、経験などについて、じっくりと見つめ直し、自分と向き合う時間を取ることも大切です。

自分の長所や良い点はさらに伸ばし、不足している点は知識や技能を吸収し、経験値を高めて補っていきましょう。

心理カウンセラーは、包容力、忍耐力、優しさ、温かさ、誠実さを持つことも大事ですが、物事に固執せず柔軟に自己変革していけるだけのチャレンジ精神や勇気を持ち合わせることも必要です。

人間性のチェック

 一度、自分の人間性についてチェックしてみましょう。

  1. クライエントに共感を持つことはできるか?
  2. クライエントの生き方や意志を尊重し受け入れることができるか?
  3. 自分から心を開いて相手に接することができるか?
  4. 自分自身を客観的に知ろうと意識しているか?
  5. 自分の価値観や考え方を相手に押し付けていないか?
  6. 地域や社会との関わりに関心はあるか?

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