遊戯療法の技法・内容・手順 - 心理療法

 幼児や児童の場合、自分の思いや考えを言葉で表現するのは難しいのが普通です。

遊戯療法は、言葉での自己表現が未熟な子どもを対象とした効果的な心理療法と言えます。

心に抱える悩みや問題を解決する手段として、遊びを行い自己表現する過程を通じて効果が期待できるからです。

遊戯療法とは何か

 精神分析家・児童分析家であったオーストリアのヘルミーネ・フーク−ヘルムートが開発したものが、遊戯療法(プレイ・セラピー)という心理療法です。

遊戯療法は、後にメラニー・クライン、アンナ・フロイト、バージニア・アクスラインなどの児童分析家により大きく発展していきました。

なお、上記の4人の児童分析家はいずれも女性です。

クラインの遊戯療法

 精神分析家・児童分析家として突出した功績があるメラニー・クラインは、遊戯療法を行う際にこの心理療法の対象者である子どもに対して、自由遊びを自由連想法の代わりになる技法として取り入れ、心理分析や解釈を行いました。

ちなみに自由連想法は、フロイトの精神分析での技法の一種です。

アンナ・フロイトの遊戯痕法

 児童分析家であったアンナ・フロイトはフロイトの実娘です。

アンナ・フロイトが遊戯療法を活用したのはラポール形成だけが目的で、クライエントとカウンセラーとが互いに信頼関係を構築するために用い、心理分析や解釈を行うために活用する事へは抵抗がありました。

アクスラインの遊戯療法

 クライン、アンナ・フロイトの後、児童中心遊戯療法を児童心理学者であったバージニア・アクスラインが考案し今に至っています。

アクスラインはクライエントとカウンセラーが夢中になって遊ぶことを通じて、子どものストレスを発散し心の問題を深く把握できたり、実際に問題を解消できるという遊びの効果を重視しました。

 大人の場合は、心に不安・緊張・葛藤などの問題を抱えた場合は、他人に相談したり、言葉で自分の苦しさを言葉で表現し和らげることが可能です。

一方、子どもの場合は言葉の理解や表現が未熟なので、その代替方法として、遊びを通して自分を目一杯表現し、不安感や不満を発散することでカタルシス効果が生まれ解放されることで問題解消につなげることが出来ます。

アクスラインの遊戯療法8原則とは

 アクスラインの8原則子供(クライエント)に対して遊戯療法を行う際の基本となっており、次のようなことに留意しカウンセラーは子供に対応していく必要があります。

  1. 温かみを感じれるような信頼関係をお互いの間に築いていきます。
  2. ありのままの言動を受容します。
  3. 感情表現を自由にできるような雰囲気を醸し出します。
  4. 感情をしっかり感じ取り子供に提示し、子供が自らの言動の意味が理解出来るように導きます。
  5. 問題があっても子供が自らの力で乗り越え成長できる潜在力があることを信じます。
  6. 子供が示す言動に対し意見を言ったり指示したりしないようにします。
  7. 治療が完了するまでは時間がかかることを十分認識し、焦りで意図的に治療ペースを早めてはいけません。
  8. 遊ぶ際、現実からかけ離れないように必要最小限の制限を与えます。

遊戯療法の手順

遊戯療法の対象者

通常、3歳〜17歳くらいの子ども

実施頻度

週1回 50〜60分

治療効果が期待できる病状・状態

  • 目閉症、夜尿症、知的障害
  • 情緒的不適応(非社会性・反社会性)

遊戯療法に必要な設備

  • 安全で親しみやすい環境や構造を整える。
  • 飛んだり跳ねたり行動的な遊びにも対応できる耐久性を備える。
  • フィギア人形から粘土や積み木まで様々な遊具を準備する。

遊戯療法実施時の留意点

  • カウンセラーも子供と一緒に遊戯室に入る。
  • 大きな許容心を持って何ごとも受容的に接する。
  • 言動に対し否定、関与、制限などせず、共感的関係を構築できるようにする。

 以上のことに留意し遊戯療法を実施していくことにより、子供が「何でも自由に感情を表現できる」 「自分は暖かく見守られている」ということを実感できれば、誘導しなくても自分で好きなように遊びを行い、心の中の感情や思いを自己表現するようになっていきます。

ですが、カウンセラーに悪態をついたり攻撃的になる場合もありますが、これは心の中の否定的感悄が放出されカタルシス効果があるので、最終的には問題解消につながりますので、受容していくことが大切です。

 また、親と子供を一緒に面接するのが遊戯療法を行う際には一般的です。

これは、治療を進めていくにあたり良好な関係維持や親子関係・家庭環境・信条・性格などの情報を収集するために必要です。

他には親に原因があるケースもあり、子供と共に心理療法を実施していくので、追求するのではなく共に治療に当たっていくということを認識させるよう配慮することも大切です。

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